iPadは非常に大きな画面を持ち、ブラウジングや電子書籍の閲覧、お絵かきなど様々な作業を快適にこなすことができます。特にiPad Pro 12.9インチにもなると、画面サイズは2015年に出たMacbook 12インチモデルよりも広くMacbook Air 13インチと同レベルという、もはやPCディスプレイと言っても過言ではありません。
これはパソコンに繋いでデュアルディスプレイしたくなりますよね!
ということで、今回はiPadをMac1のサブディスプレイにするアプリ『Air Display 3』の紹介です。
以下の環境にて動作を確認しています。
端末 | OS | |
---|---|---|
ホスト側 | Macbook 12-inch (Early 2015) | macOS 10.12.6 (Sierra) |
クライアント側 | iPad Pro 12.9インチ(第二世代) | iOS 11.0 |
Air Display 3 の特長
Air Display 3 の特長は、
- 有線接続と無線接続の両方が使える
- 同時に4台まで認識可能
- Retina対応(等倍表示とHiDPIが選択可能)
- アプリ起動時の自動接続が可能
といったあたりでしょうか。
無線接続に対応
有線接続と無線接続の両方に対応しているというのは、現在最有力の競合と思われる『Duet Display』が対応していない機能です(2017年9月現在)。
最近ではiPadのRetina化(高解像度化)により、iPadをサブディスプレイとしたときにMacとの間でやりとりする情報量がものすごく増加しています。
それもあってか、現在主流となっているサブディスプレイ化のアプリは有線接続によるものが多いようです。
確かに高解像度のiPadやiPad Proを普通のサブディスプレイとして使うのであれば、無線接続は遅延も大きくストレスフルなので向いていないと思います。しかし、例えば写真の表示やパワーポイントの表示などであれば、そこまでの応答速度は求められないため、逆に無線の手軽さや取り回しやすさが活きてきます。
わざわざケーブルを挿すほどでもないけどなぁといった場合に無線という選択ができる点はかなりの強みだと思います。
同時に4台まで認識可能
4台同時接続(複数デバイスの同時接続)もDuet Displayは対応していませんが、iPadとiPhoneの両方を繋げたいとか家族や友人のデバイスに繋いで画面を共有したいなどという場面において、無線接続可能というのも相まって非常に便利です(各デバイスへアプリのインストールが必要です)。
Retina対応(等倍表示とHiDPIが選択可能)
地味でありかつ重要なところですが、HiDPI表示にも対応しているので、iPad Pro 12.9インチを2,732 x 2,048 ピクセルの広大なディスプレイとして使うこともできますし、1,366 x 1,024 ピクセル相当のHiDPIディスプレイとして使用することもできます。
アプリ起動時の自動接続が可能
これも地味に便利な機能ですが、iPadがMacに接続されている(無線の場合は同一ネットワークにある)場合、iPad側でアプリを立ち上げると自動的にMacとの接続が開始されるように設定できます。
アプリを立ち上げるのは接続する時しかありえないと思いますので、基本的に自動接続はオンで問題ないかと思います。しかし、例えば有線で接続しようと思ってiPad側でアプリを立ち上げたらケーブルを接続していないことに気づいた!という場合、自動接続がオンになっていると無線で接続が開始されてしまうかもしれません。
それが嫌だという場合は、有線時は自動接続オン、無線時は自動接続オフとしておくことで、そのような無駄な接続を防ぐことができます。 それぞれ個別に設定できるというところは非常に重要です。
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実際に使ってみた
インストール&起動
インストールは非常に簡単で、
- iPad/iPhoneでAppStoreのページからクライアント側アプリをインストール
- Macで公式サイトからホスト側アプリをインストール
という流れです。
インストールするとMacは再起動を促され、ホスト側アプリは自動で立ち上がります。
あとはiPad/iPhoneをMacに接続し、
- iPad/iPhone側でアプリを起動
- Macから認識されるのでConnectをクリック
とするだけです。
ここで注意なのですが、私が初回接続した際、Macからは認識されているのになぜかiPadには何も表示されませんでした。
そこで一度接続を解除し、iPadを縦向きにしていたものを横向きに直して再度接続したところ、無事iPadにも画面が表示されました。
その後は縦向きでも横向きでも問題なく接続できています。
実際に使ってみて
実際に使って思ったのは、やはりディスプレイが増えるのは圧倒的に便利ということですね。
しかも元々使っているMacが12インチで狭かったということもあり、それが2倍以上になるのですから快適度は一気に上がりました。
複数のウインドウ切り替えが不要なため、作業中に別画面への視線移動が以前より自然にできて集中が切れにくい気もします。
しかもこのデュアルディスプレイ環境がiPadで実現できてしまうので、例えば普段の作業場所を離れてリビングやカフェなどに行ったときにも、iPadを持ち出すだけでこの環境が再現できるというわけです。
あまりに人目の多いカフェだとiPadを並べて2画面で作業するのはなかなか恥ずかしいかもしれませんが(笑)
1つ欠点を上げるとすれば、普通のディスプレイ接続ではないため若干の遅延があります。ガツガツと文字入力をしたり頻繁にスクロールなどをする場合は人によっては気になるかもしれません。その場合、動きの多い作業はMac側のディスプレイで行い、iPad側は静的な表示に使用するなどの工夫をしたほうがいいでしょう。
最後に
今回はiPadをサブディスプレイ化するアプリである『Air Display 3』を紹介しました。
iPadは持っているけど普段そんなに使わないよという人は、ぜひポータブルなデュアルディスプレイ環境構築に活用してみてはいかがでしょうか。
またサブディスプレイ化にはスタンドも必須です。 今回の記事でも使用していた、iPad ProでもLightningケーブルを挿したまま縦置きできるスタンドを以下で紹介しています。
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2017年9月現在、Windowsをホストとすることはできません(公式HPに対応予定との記載あり)。クライアントAppは提供されているため、Macの画面をWindowsタブレットなどに写すことは可能と思われます。↩