U-mobileはMVNOとして様々なプランを提供しています。今回はその中でもソフトバンク回線を用いた U-mobile S に着目。モバイルルーター(Aterm MR05LN)を用いてテザリングが使用できるかを確認してみました。
U-mobile S
U-mobile S は U-mobile が提供しているソフトバンク回線を用いたMVNO回線です。
近年MVNO利用者が増えることで回線の混雑が起きており、事業者によっては昼や夕方に著しく通信速度が低下する場合があります。そんな中、U-mobileが提供するソフトバンク回線を利用した U-mobile S はMVNOの中では比較的高速な通信ができています(2017年11月現在)。
そんな U-mobile S ですが、利用の仕方によっては問題もあります。
問題点
私が U-mobile S を利用する上で問題と思ったのが、
- 通話プランが無い
- iOS端末でテザリングができない
- iOS端末以外で動作保証が無い
という点です。
私はiPhoneをメインで使用しており、二台持ちしたくない、IP電話ではなく携帯の通話回線が欲しい、という理由から『iPhoneで通話プランを契約しPCをテザリングで繋げる』という運用をしてきました。これが U-mobile S では全くできません。
仕方ないから回線を電話とデータで分けてモバイルルーターを使おう、と思っても、U-mobile S として公式に動作保証しているのは iPhone/iPad だけです(動作確認端末一覧)。Androidスマホすら動作保証がありません。
しかしどうやらAndroidでも使えそう
公式ではAppleの端末しか動作確認されていません。しかしネット上の情報をいろいろ探してみると、Androidで動作したという記事やAndroidでテザリングできたという記事を見かけます。
つまり、公式に動作確認はしていないが、絶対に動作しないという意味ではないというわけです。
しかしAndroidスマホでの動作報告は結構あるのですが、モバイルルーターで使ってみたという報告はあまり見かけませんでした。私はモバイルルーターでの使用を考えていたので、そこが非常に気になります。
モバイルルーターを買ってみて、回線も契約してみて、いざ挿してみたらテザリングできなかった…とかなったらシャレになりません。
モバイルルーター高いですからね。
そこはちゃんと確認しておきたい。
しかし情報がない。
じゃあ自分で確認するしかない。
ということで、早速 U-mobile S の回線契約とNEC製のモバイルルーターである Aterm MR05LN の購入をしたのでした。
MR05LN
今回購入したモバイルルーターはNEC製の Aterm MR05LN です。

NECプラットフォームズ 自動SIM切り替え LTE モバイルルーター Aterm MR05LN ( デュアルSIM 対応 / nanoSIM×2 ) PA-MR05LN
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詳細なスペックなどは省きますが、通信速いしデュアルSIMだし対応バンドも多いしBluetoothテザリングなんかもできるし電池持ちも良いしというかなり優秀な端末です。
実際人気もあるようで、前世代機種であるMR04LNと合わせて中古なんかはすぐに売れてしまう状況です。
MR05LNでテザリングできた
結果を言いますと、U-mobile S と MR05LN の組み合わせで無事テザリングできました。
端末にSIMを挿し込み、本体でAPN設定を追加(詳しい情報はググってください)。一旦端末を再起動して、その後PCからWi-FIで接続したところ無事通信できることを確認しました。
ついでにIIJmioとU-mobile Sの比較
速度比較
せっかくなので、今まで使用していた IIJmio タイプD(ドコモ回線)と速度比較を行いました。
測定にはBNRスピードテスト 画像読込み版を使用しました。個人的に上りが遅くて困ることが無いので今回は省略します。
8時 | 12時 | 18時 | 21時 | |
---|---|---|---|---|
IIJmio | 1.59Mbps | 0.33Mbps | 0.43Mbps | 1.48Mbps |
U-mobile S | 9.33Mbps | 11.29Mbps | 8.16Mbps | 14.71Mbps |
昼や夕方は混み合う時間帯であり速度の落ちるMVNOは多いと聞きますが、U-mobile S はかなりの高速を維持しています。というか混雑の影響がほぼ無いように見えます。なんと恐ろしい力を持っているんだ…。
料金比較
ただしここで注意なのが、そもそも U-mobile S の方がIIJmioよりも容量あたりの料金が高いという点です。同じ料金で容量は倍くらい違ったりします。
以下が価格比較表です(2017年11月現在)
1GB | 3GB | 6GB | 7GB | 10GB | |
---|---|---|---|---|---|
IIJmio | - | 900円 | 1520円 | - | 2560円 |
U-mobile S | 880円 | 1580円 | - | 2980円 | - |
また価格だけでなく、IIJmioは対応端末が多い、テザリングが(公式に)できる、音声プランがあるなどの利点があります。当たり前ですが、サービスを総合的に見て評価することが大切です。
U-mobile Sの、容量あたりの価格は割高で対応機能も絞られているが速度には強みがある、というように、MVNO全体としてどんどんとサービスに多様性が出てきてくれたら嬉しいですね。
最後に
今回はソフトバンク回線の U-mobile S とモバイルルーターの Aterm MR05LN の組み合わせで通信&テザリングができることを確認しました。
ただし、MR05LNでの動作が公式に保証されているわけではありません。
そもそもiOS端末以外での動作自体が保証されていません。
もしAndroidスマホやモバイルルーターでの使用をU-mobileが良くないものと判断した場合、通信やテザリングが急にできなくなるということが無いとは言い切れません。
もし U-mobile S をモバイルルーターで利用したいという方は、そのあたりを覚悟した上で、自己責任でご利用ください。
通話プランとかAndroidでの使用とか普通にできてもいいと思うんですが。いろいろ事情があるんですかね。サブブランドとの兼ね合いとか…。まぁ、利用者少ない方が回線空いててありがたいんですが。